【 船乗り嫁日記 】ワイルド!船乗り医学

現代の貨物船乗りはすんごいマルチな仕事ぶりです。自分たちである程度の医療処置もする…!

広大な太平洋のど真ん中で怪我をしても、病気をしても、船にはお医者さんが乗っていない…!病院のある陸地までも一週間以上かかる…

ならば仕方ない、俺が医者だ。ブラックジャックによろしく!

ゲンさんも一週間ほど、病院に講習を受けに行っていましたよ。船員保険の病院でやってたような。船乗り用の医療講習があったのです。

一般的な救命講習を受けたことがありますが、基本は「救急隊が来るまでの最善の処置」だった記憶があります。

しかし、しかしだな、船乗り達の場合、救急隊が来るのに何日かかるのか未知(本当になんかの番組みたいだ)

「心臓マッサージ24時間し続けたけど、救助に来るのが4日後になる」とか、本当に陸上では信じられないアンビリバボーな数々。

先生もさすがにタジタジ。想定外がすぎる。

そんな過酷な環境にいる船乗りさんなので、医療講習を受けて処置ができるようにしつつ、医療コールサービスも使うそうです。

電話で指示を受けながら、素人に毛が生えた船乗りが医療処置をする…仕方がない、ここは船だ…

(そして本当に厳しい話ですが、病院での治療を受けられるまでに時間がかかるため、船上で亡くなってしまう方もいます。これが船乗りだ…)

そんなヤブ医者もどき(失礼)の船乗りさん達が、自分たちの経験から編み出した船乗り医学。ゲンさんが実際に先輩から教わった術。

「縫う自信がなければ、アロンアルファで塞いでおけ」!!!!

私も差し歯が欠けた時に、歯医者さんで接着剤でくっつけてもらいました。接着剤って万能やな。

「深く切ったら、新品のエンジンオイルに傷口をつけろ、油の中は無菌だ」

…ほんまか…

看護師をしている妹にこれ言ったら、めっちゃビックリして、必死で笑いを堪えていた。そりゃそうか。

聞けば聞くほど船乗りは過酷で、それゆえにオリジナルな技が色々編み出されている。

必要は発明の母とはいうけれど、やっぱりすごいわ船乗り。