!長ーーい記事です。お時間ある方どうぞ!

昨日(6月9日)は世界海洋デーだったそうな。今日知りました(Twitterで)。3月には、世界女性デーもあったな。
わたくし、こういう世間のあれこれに乗り遅れがちです。が、遅過ぎることはなかろう。というわけで、「船で働く女性」のお話です。
船乗りと聞くと、ポパイ(キャラ)とか、日に焼けた漁師さんを思い浮かべる人は多いと思います。私もそうでした。そんなマッチョなイメージの船乗りさんですが、最近は、少しずつ女性も増えています。

が、まだまだ少数派で、なんと業界の3%しかいないとか(外国航路の船の中の話です)!そもそも外国航路の船乗り自体が、2000人くらいしかいません。
そう、女性の船長が誕生するとニュースになる位なのです。女性がガンガン進出してそうなアメリカでも、クルーズ船の女性船長が初めて誕生したのは2015年だそうです。そのくらい、女性が少ない。
実はですね、船で働く女性の船員さんて、どんなこと思ってるのかな?と気になりまして。
→ITecMarinさんという会社に企画のお声がけしまして
→実際に働いている/働いていた方に、アンケートにご協力いただき
→YouTubeチャンネル「アニキ船長」にて、インタビューが動画になっています!
動画のリンクはこちらから

この「アニキ船長」のチャンネルは、他にも船の世界をわかりやすく解説していて、すごく面白いです。ぜひぜひ。
私は正直、フェミニズム、とか女性の権利、とかの話はどちらかというと苦手だったのですが、いや~これはなんか、書かないとムズムズしたのでペンを取りました。
船乗りさんの仕事も「航海士(航路や荷役担当)」や「機関士(機械担当)」などがあります。仕事への思いは、女性も男性も、変わらない。

例えば
・世界の物流を担っていると感じる
・荷役、当直の達成感
・自然の偉大さを感じられる、充実感
・昇格と昇給は男女関係なくて良い(資格と経験がものをいう)
船業界では、「女性が船に乗ったら海が荒れる」をいう古い言い伝えが割と有名だったりします。そろそろ、そういうの、もういいよなぁ。

ゲンさんも一度、女性の船乗りさんもいる船で船長をしていましたが、彼は特に女性だから困った、ということはなかったそう。
しかしながら、船はずーっとほぼ男子のみの世界だったので、変化に戸惑う人はいるようです。
男子校が突然共学になった、みたいな感じでしょうか。

シンプルに仕事だけなら、女性も男性も関係ないようですが、アンケートを見て、「わー」と固まったところ。
「女性」という理由で、大変なこと、やっぱり、あるんだ。私はこういったザ・男社会には縁がなかったので、びっくりしました。
・女性を受け入れている会社がそもそも少ない(!!!)
・(職場であり、生活の場でもあるので)セクハラの逃げ場がない(泣!!!)
・結婚出産したらどうするの?と女性だけ聞かれる(男性は聞かれないよね)
などなど、他の業種とも重なることもあるけれど、狭い船内で仕事も生活もしている、特殊な環境ならではだなぁ、と思いました。
知り合いの女性船乗りさんは、先輩に下着の色を聞かれる、とかもあったと聞きました。(聞いた男性船乗りの方も知っていますが、本人は軽いジョークのつもり。これが、セクハラです)
これを日常的にされたら、ハードですよ。ハードコアですよ。無理です。お前を蝋人形にしてやろうか。

こうして書いていると、だんだんとハマってきてですね、「女性と船」でググると大変面白い文献が出てきました。
「女性海賊史序説
~18世紀カリブ海の海賊社会におけるジェンダー研究~」
石 田 依 子
(独立行政法人国立高等専門学校機構 大島商船高等専門学校准教授)
文献はweb上でも公開されています。興味ある方はこちらも是非。
昔、女海賊がいたという記録がある、と。しかも男装していたらしい(!)。


そうした歴史もあるのに、なぜ女性が船から排除されていたかについても、考察が書いてありました。
すっかり長くなってしまいましたが、「多様な女性の船員さんが増えることで、後に続く人がこの道に進みやすくなる」という声が、とても心に残りました。

とても貴重な声を聞かせてくださった船員のみなさま、本当にありがとうございました!
▼すごくわかやすくて素敵な動画です〜